就労支援事業の資金繰りを改善する方法3選
障害福祉に関する需要が伸びる中、就労移行支援や就労継続支援A型・B型などの就労支援事業にも注目が集まっており、事業所の数も増加傾向にあります。
しかし、一方で従業員の給料が払えない、運転資金が足りないなど資金繰りに悩まされる就労支援事業の経営者の方も少なくありません。
そこで、この記事では、就労支援事業の資金繰りが悪化する原因と、資金繰りの改善方法について解説をしていきたいと思います。
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就労支援事業で資金繰りが悪化する原因
なぜ就労支援事業では資金繰りに悩まされる事業所が多いのでしょうか。その原因としては、就労支援事業ならではの特徴が背景にあります。
売り上げが入金するまでの期間が長い
就労移行支援や、就労継続支援A型、就労継続支援B型などの就労支援事業はサービスを提供してから売り上げが入金されるまでの期間が1.5か月程かかるという特徴があります。
就労支援事業では、訓練等給付費を当月の1~10日までに国保連へ請求し、その後翌月15日に国保連から入金される流れとなっており、サービス提供月の翌々月の15日に売上が入金される仕組みとなっています。
サービスを提供してもすぐに資金化することができないため、運転資金で必要な現金が手元にないという状況が発生し、資金繰りが悪化する大きな原因となります。
特に、開業したばかりでは、開業から最低でも2か月後にしか売り上げが入金されないため、余裕を持った開業資金が必要になります。
そこまで多くの開業・運転資金が用意できなかった場合は、逼迫したキャッシュフローの中で運営していくことになります。融資を受けようと考えた場合でも、銀行からの借入がうまくいかずに資金調達ができない場合もあります。
人員基準によって人件費がかかる
就労支援事業では人員配置の基準が定められており、利用者が少なくても人員は常に確保しておかなければなりません。
例えば、就労継続支援B型の場合、管理者(兼務可)、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員をそれぞれ定められた人数を配置する必要があります。
利用者の人数などによって人員配置の基準は変わりますが、定められた人数以下まで人員を減らして人件費を削るということはできません。
常に人員は確保して運営をしなければならないため、利用者が少なければ人件費が支払えなく、資金がどんどん悪化するという事態になります。
就労支援事業の資金繰りを改善する方法
では、就労支援事業の資金繰りを改善するにはどうしたらいいのか、いくつか改善方法を解説していきます。
資金繰り表の作成
資金繰り表とは、事業所のお金の収支を表にし管理していくもので、家庭でいう家計簿のようなものです。お金の流れを把握しておかなけば、必要な時に資金が足りないという状態に気づかないうちになってしまう場合もあります。
資金繰り表を作成しておくことで、どのタイミングで資金を調達しておかなければならないのか、どの支出が資金繰りを圧迫しているのかなど、経営判断に役に立ちます。
資金繰り悪化の原因や、今後どのようにしていいかの判断材料となるため、資金繰りを改善していくには資金繰り表の作成は欠かせません。
融資を受ける
資金繰りを改善するにはキャッシュフローを改善する必要があります。
運転資金が足りないようであれば、銀行などから融資を受けて経営をつなぎとめる必要も出てきます。
適切なタイミングで借入をするためにも、上記の資金繰り表の作成で自社の財務状況を把握することが欠かせません。
関連:就労支援事業で融資を受けるには?必要な準備とポイントを解説
障害福祉のファクタリングを活用する
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社が買い取りし、手数料を差し引いた金額を早急に入金するというサービスになります。
就労支援事業でもファクタリングサービスは利用することができ、障害福祉サービスの提供から入金まで約1.5~2か月程かかっていたのが、3~5営業日以内に短縮することができます。
手元に早く現金が欲しいという経営者の方には大きなメリットとなり、資金繰りの改善につながります。また、ファクタリングは負債(借入)には該当しないため、決算書の心配をする必要もありません。
常に手元に現金がない、給与の支払いに必要な資金がないという場合は、ファクタリングを活用してキャッシュフローの安定化を図る方法もあります。
ファクタリングについては『ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットを障害福祉事業者向けに解説』で解説をしています。
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