放課後等デイサービスの延長支援加算とは?算定要件やよくある質問を解説

利用者さんの特性・体調、家庭環境や保護者の都合など様々な事情により、放課後等デイサービスや児童発達支援を利用しているお子さんを、営業時間外に対応する場合も多々あるかと思います。

・この場合は延長支援加算の対象になるのだろうか?
・算定要件にある「やむを得ない理由」って何?
・利用者さんが延長利用となった場合の職員体制はどうしたらいいのだろう?

このようなお悩みを本記事では解決いたします。

延長支援加算の算定要件や加算単位、注意点等について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

延長支援加算とは

延長支援加算とは、営業時間が8時間以上の事業所で、その営業時間前後にサービス提供を行った場合に算定できる加算です。

延長支援加算の算定要件

延長支援加算の算定要件には以下のものがあります。

・事業所の「営業時間」が8時間以上であること

・8時間以上の営業時間の前後において、サービス提供していること

・延長時間に直接支援業務を行う職員(児童指導員または保育士)を一人以上配置していること

・やむを得ない理由があって延長支援を行うことを個別支援計画に記載していること


延長支援加算の単位数

延長支援加算の単位数は、重症心身障害児への支援の有無と延長支援を行った時間数によって異なります。

 重症心身障害児への支援を行わない場合重症心身障害児への支援を行う場合
1時間未満61単位/日128単位/日
1時間以上2時間未満92単位/日192単位/日
2時間以上123単位/日256単位/日

算定には延長支援加算体制届出書の提出が必要

延長支援加算を算定するためには、事前の届け出が必要です。「延長支援加算体制届出書」に個別支援計画書の写しを添付して所轄官庁へ提出します。

その他、必要添付書類の有無は自治体によって違う可能性があるため、問い合わせが必要です。

延長支援加算体制届出書の記入の仕方に関しては、以下が参考になります。

参考:新潟県 延長支援加算体制届出書

延長支援加算よくある質問(Q&A)

延長理由はどんな理由でもよいでしょうか?

やむを得ない理由に限ります。

やむを得ない理由には以下のようなものが該当します。

・保育所等の子育て支援に係る一般施策において当該障害児を受け入れることができない場合

・保育所等を利用している場合であっても、児童発達支援等の利用が必要である場合(併行利用の場合)

Q.利用時間が8時間未満であっても、営業時間を延長した場合は算定できますか?

できます。営業時間は8時間以上である必要がありますが、利用時間に条件はないため、営業時間を超えて利用があった場合は算定できます。

Q.送迎をしている時間を含んで算定することはできますか?

できません。送迎時間は営業時間に含めることができないため算定できません。

Q.営業時間前でも算定できますか?

算定できます。営業時間「前後」のサービス提供が延長支援加算の対象となります。

Q.同一利用者に対して、営業時間前と営業時間後に延長支援を行った場合はどうなりますか?

営業時間前後のサービス提供時間を合算して算定することが可能です。

(例)営業時間9時から18時までの営業時間で、8時30分から18時10分まで利用があった場合

8時30分から9時までの「30分」と18時から18時10分までの「10分」を合算した「40分」で1時間未満の単位が算定できます。

Q.延長時に管理者やサービス管理責任者、児童発達支援管理責任者を配置した場合は算定できますか?

できません。管理者やサービス管理責任者、児童発達支援管理責任者は直接支援業務従事者ではないため算定できません。

延長時間に配置する職員は、直接支援業務に従事する職員に限るため、児童指導員や保育士を配置しなくてはいけません。

まとめ

以上、延長支援加算について解説をしてきました。

延長支援加算についてまとめると以下の通りになります。

・営業時間8時間以上の事業所がその営業時間前後に、児童指導員または保育士がサービス提供を行った場合に算定できる加算
・「延長支援加算体制届出書」に個別支援計画書の写しを添付し事前申請が必要
・個別支援計画書には、やむを得ない理由があって延長支援を行う旨を明記すること
・算定単位は重症心身障害児への支援の有無と延長時間によって変わる

放課後等デイサービスや児童発達支援は、サービス提供時間内にサービスを提供することが基本であり延長支援加算はあくまで例外的な措置です。常時延長支援が必要な利用者さんが多くなるような場合は、適切な事業運営をするためにも、営業時間の設定自体を見直す必要性があるため注意しましょう。

また、延長時間にサービス提供を行う職員は、直接支援業務従事者として児童指導員や保育士が対象となりますので、人員配置にもしっかりと気を配り延長支援への対応をしましょう。

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