就労継続支援B型事業所の工賃を向上するノウハウ
2024年4月から、障害福祉サービス等の報酬が改定されました。この改定により、工賃の低い就労継続支援B型事業所は、報酬が下がることが決定。今後利用者の工賃を上げることが求められるようになりました。
本記事では、そんな状況下に置かれた就労継続支援B型事業所において、工賃をどのように向上させればよいか解説していきます。利用者の工賃を上げられれば国からの報酬額もアップ、利用者も集まりやすくなるという好循環が作れます。
就労継続支援B型事業所を運営している方は、ぜひ参考にしてください。
就労支援B型事業所は工賃向上計画が義務付けられている
就労継続支援B型事業所は2024〜2026(令和6〜8)年度の3年間を対象に工賃向上計画を策定し、計画に基づいて取り組むことが義務付けられています。
就労継続支援B型事業所が工賃を向上させるためには、利用者の生産活動により利益を上げる必要があります。具体的にどんな生産活動を実施し、どのように利益を上げるのかを考え実行することが求められています。
就労支援B型事業所の工賃に対する流れ
令和6年障害福祉サービス等の報酬改定で、あらたに目標工賃達成加算が新設されました。目標工賃達成加算は、工賃向上計画に基づき、実際に工賃が向上した場合、10単位/日が加算されます。
これにより工賃向上に向けて動いている事業所は優遇され、工賃向上できない事業所は運営が厳しくなることが予想されます。
工賃を上げないと報酬が低くなる
また令和6年障害福祉サービス等の報酬改定では、平均工賃月額に応じた報酬体系について、平均工賃月額が高い区分の基本報酬の単価を引き上げ、低い区分の単価を引き下げる改定がおこなわれました。
平均工賃月額が1.5万円未満の事業所に関しては、以前より報酬が引き下げられています。つまり今後工賃を上げないと、国からの報酬は低くなるということです。
今後も工賃向上を目指す流れは続く
令和6年の改定により、工賃の低い事業所は報酬が引き下げられました。そしてこの傾向は今後も続くと考えられます。その裏には残念ながらただ利用者を集めて、作業をほとんどさせていない事業所が存在したことが考えられます。こうした事情を踏まえて、今後も国は利用者の工賃向上を求めていくでしょう。
そのため就労継続支援B型事業所を運営している方は、工賃向上を達成しなければなりません。
就労支援B型事業所の工賃を上げた事例
「就労継続支援B型事業所の工賃を上げるのは難しい」そう思われている経営者の方も多いかもしれません。しかし就労継続支援B型事業所で工賃を上げた事例はいくつもあります。
例えば愛知県豊橋市にある「一般社団法人ラ・バルカグループ」が運営する久遠チョコレートでは、障害者を330名以上雇用し、平均工賃は6万円(※)を超えています。就労継続支援B型事業所の報酬体系では、平均工賃4.5万円以上で基本報酬の上限になります。それでも平均工賃6万円を超えているということは、利用者のためを思った運営をしているということになります。
久遠チョコレートで作られたチョコレートは一般の方にも広く受け入れられており、全国で40の店舗を構えています。(2024年11月時点)久遠チョコレートはかなりの成功事例ですが、就労継続支援B型事業所でも工賃は上げられるという事例でもあります。工賃を上げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
就労支援B型事業所の工賃を上げるためには
これまでの事情を踏まえて、就労継続支援B型事業所が工賃を上げるためには具体的にどうすればよいのでしょうか。
就労継続支援B型事業所で工賃を上げるためには、生産活動収入を増やす必要があります。工賃を上げている事業所は、軒並み生産活動がうまくいっています。工賃を上げるため何をすればいいか解説していきます。
中長期的な計画を立て生産活動収入を増やす
工賃を上げようと思っても、行き当たりばったりな行動ではうまくいかないことが多いです。生産活動収入を増やし工賃を上げるためには、しっかりとした計画を立てる必要があります。
計画を立てるためには、まずうまくいっている事業所を参考にするとよいでしょう
- 利用者にどんな作業をさせているのか
- 販路の拡大はどのようにおこなっているのか(リアルに営業をするのか、インターネットで仕事を受注しているのかなど)
- 仕事がちゃんと回る体制をどのように構築しているのか
このような視点からうまくいっている事業者を見ると、参考になる点が多いです。
例えばとある事業所では、クラウドソーシングでフォーム営業代行を受注しています。フォーム営業代行とは、企業のホームページにある問い合わせフォームに営業メールを送る仕事です。営業メールは発注者に考えてもらい、リスト作成や送信作業を利用者が担当します。発注者も安くフォーム営業を実行してくれるメリットがあるので、仕事の受注がどんどん増えていきました。
このように利用者が仕事で利益を上げられるような仕組みを構築することが、経営者側の役割です。うまくいっている事業所を参考にして、中期的な計画を立ててみましょう。
生産活動で上げた利益を利用者に還元する
そして生産活動で利益を上げたら、それを工賃として利用者に還元していきましょう。工賃が上がれば利用者のモチベーションも上がり、利用者も増えていきます。そうなるとスタッフを増やしてさらに規模を拡大するなどの選択肢も視野に入ってきます。
生産活動で利益を上げる→工賃を増やす→利用者を増やす
この好循環が作れれば、就労継続支援B型事業所の運営もうまくいくでしょう。そのために起点となるのが、生産活動で利益を上げることです。経営者は利益を上げる仕組みをどう作るか、今一度考えてみてください。
工賃を上げるまでの資金繰りも重要
ここまで就労継続支援B型事業所の工賃を上げる方法について解説してきました。工賃を上げるためには、生産活動での利益が必要です。しかし生産活動で利益を上げるのは、数カ月ではなかなか難しいのが現実です。しかし生産活動で利益を上げなければ、いずれジリ貧になるのは目に見えています。
「生産活動で利益を上げるための活動をしたいが、運転資金が心もとない」そんな方は、ぜひケアファクタリングにご相談ください。ファクタリングサービスを利用していただくと、通常約1.5か月かかる障害福祉サービス報酬の入金が大幅に短縮され、最短3営業日での資金化が可能です。そのため資金繰りがかなり改善されます。
こうしたサービスで資金繰りを改善しつつ、生産活動に取り組めば事業所の経営が安定してきます。資金繰りに悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
\就労継続支援B型事業所の資金繰り改善に役立つ!/