就労継続支援B型がつぶれる原因とは？赤字にならないための対策

就労継続支援B型は赤字経営で頭を抱えているところも少なく、このままつぶれるんじゃないかと倒産・廃業の心配をしている経営者も少なくないかと思います。

また、これから就労継続支援B型の事業所を開業しようと考えている方にとっても、つぶれる原因やどうすれば黒字経営で運営していくことができるのか気になってくるかと思います。

そこで、この記事では就労継続支援B型事業所がつぶれる原因や赤字経営にならないための対策としてはどういったことがあるのかご紹介していきたいと思います。

就労継続支援B型の赤字事業所の割合は35％

2021年の福祉医療機構の調査によると、就労継続支援B型の赤字事業所の割合は35％におよび、1/3以上の事業所は経営に苦しんでいます。

出典：2021 年度(令和 3 年度)日中活動系障害福祉サービスの経営状況について

赤字経営になっている事業所の一番の原因としては利用率の低さとなっており、運営に必要な収益を確保できていないという特徴があります。

就労継続支援B型がつぶれる原因

就労継続支援B型がつぶれる原因には、

などが挙げられます。これらの要因が重なり、施設の経営に大きな負担をかけています。

利用者が集まらない

就労継続支援B型がつぶれる原因の一つは、利用者が集まらないことです。支援を必要とする利用者が増えている中、施設への需要が伸び悩んでいます。

これには施設のサービス内容や利用者へのアプローチ方法、周辺地域との連携などが影響しています。また、就労継続支援B型の施設が増えて競合が増えてしまったことも大きな原因となっています。

利用者のニーズに合ったプログラムやサービスの提供、また、利用者を集めるための広報・マーケティングの強化などが必要です。

人材確保の困難さと人件費の増加

就労継続支援B型がつぶれる原因の一つは、人材確保の困難さと人件費の増加です。就労継続支援B型では、専門的なスタッフやサポート職員が必要ですが、その確保が難しくなっています。

さらに、人件費の増加も経営に負担をかけており、これが施設の経営難を招いています。人材の定着率を高めるためには、働きやすい環境の整備やキャリアパスの提供、報酬体系の見直しなどが必要です。

また、効率的な人材活用や業務プロセスの見直しも重要です。

物価の高騰

新型コロナウイルスによる物価の高騰の経営を圧迫する大きな原因です。コロナ禍により物価が上昇し、施設の運営費用が増加しています。

特に消耗品や衛生管理にかかるコストが増え、経営に負担をかけています。このような状況下で、収益の低下と経費の増大が経営を圧迫し、倒産に至るケースが増えています。

対策としては、コストの見直しや効率化を図るとともに、補助金の活用や収益源の多角化も検討すべきです。

加算を算定できていない

就労継続支援B型がつぶれる原因の一つは、加算を算定できていないことです。

施設が提供するサービスやプログラムに対する適切な加算を算定できていない場合、収益が本来の価値に見合わないまま運営されることになります。

これは経営に大きな負担をかけ、施設の持続的な運営を困難にします。

加算の算定方法や申請手続きの適正化、専門家のアドバイスを活用することで、加算を正確に算定し、施設の経営を安定させることが必要です。

就労継続支援B型がつぶれないための対策

就労継続支援B型がつぶれないための対策としては、以下の点に注意が必要です。

まずは利用者のニーズに合わせたプログラムやサービスの充実化が重要です。

また、広報・マーケティングの強化や地域との連携強化も施設の利用者獲得に役立ちます。さらに、人材確保のための採用戦略や育成プログラムの充実、労働環境の改善も必要です。

経費の見直しや効率化、補助金の活用、収益源の多角化も経営の安定化につながります。最後に、経営の状況を定期的に評価し、リスク管理を徹底することも重要です。

これらの対策を総合的に実施することで、就労継続支援B型の持続的な運営が実現できます。

まとめ

ここまで就労継続支援B型がつぶれる原因と対策についてまとめてきました。

就労継続支援B型を運営していくには利用率を高める必要があり、利用者のニーズを十分に把握し、サービスの質を向上させることが不可欠です。

また、人材の確保と育成にも力を入れ、スタッフのモチベーションを高める取り組みが必要です。経費の効率化や収益の最大化、補助金の適切な活用も経営安定の鍵となります。

さらに、市場動向や競合施設との比較を通じて、施設の競争力を維持・向上させることも重要です。

総合的な経営戦略を策定し、定期的な評価と改善を行うことで、就労継続支援B型の倒産リスクを低減し、持続的な運営を実現できます