物価高騰で資金繰りが苦しい障害福祉施設はWAMの優遇融資が利用可能
コロナやロシアとウクライナの戦争などによって、様々なものの物価が上がっており、その影響を受けて収支が悪くなり資金繰りが苦しくなった障害福祉施設も増加しています。
物価高騰によって費用が増加して資金繰りが苦しくなった場合は、WAM(独立行政法人福祉医療機構)の優遇融資を受けることが可能です。
この記事では、物価高騰で影響を受けた障害福祉施設に対するWAMの優遇融資について、どういったものなのか解説をしていきます。
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物価高騰に関するWAMの優遇融資とは
WAM(独立行政法人福祉医療機構)では、物価高騰の影響を受けた障害福祉・医療施設に対する優遇融資を実施しており、この融資は物価高騰によって増加した費用の経費に充てることを目的としています。
優遇融資を受けるための条件
以下は、障害福祉事業の施設が優遇融資(福祉貸付)を受けるための条件になります。
貸付対象
前年同月などと比較して、物価高騰の影響による費用の増が確認でき、かつ、収支差額が減少している施設・事業が対象となります。
食材費や電気料金等、高騰によって費用が増加したことが確認できる必要があります。
対象施設・事業
高齢者福祉分野
- 特別養護老人ホーム
- 養護老人ホーム
- ケアハウス
- 老人介護支援センター
- 小規模多機能型居宅介護事業所
- 老人デイサービスセンター(生活支援ハウスを含む)
- 認知症高齢者グループホーム
- 老人短期入所施設
- 看護小規模多機能型居宅介護事業所 等
児童福祉分野及び母子・父子福祉分野
- 保育所
- 小規模保育事業
- 放課後児童健全育成事業
- 障害児通所支援事業
- 幼保連携型認定こども園
- 助産施設
- 児童養護施設
- 児童自立支援施設
- 乳児院
- 障害児入所施設
- 児童厚生施設(児童遊園を除く)
- 母子生活支援施設
- 児童心理治療施設
- 児童家庭支援センター
- 障害児相談支援事業子育て短期支援事業
- 地域子育て支援拠点事業
- 児童自立生活援助事業
- 乳児家庭全戸訪問事業
- 一時預かり事業
- 養育支援訪問事業
- 小規模住居型児童養育事業
- 母子家庭等日常生活支援事業
- 寡婦日常生活支援事業
- 婦人保護施設
- 母子・父子福祉センター
- 母子・父子休養ホーム 等
障害福祉分野
- 居宅介護事業所
- 短期入所事業所
- 自立訓練事業所
- 重度訪問介護事業所
- 重度障害者等包括支援事業所
- 就労移行支援事業所
- 生活介護事業所
- 共同生活援助事業所
- 就労継続支援事業所
- 自立生活援助事業所
- 就労定着支援事業所
- 地域活動支援センター
- 一般相談支援事業
- 福祉ホーム
- 特定相談支援事業同行援護事業所
- 行動援護事業所
- 移動支援事業
- 障害者支援施設
- 身体障害者福祉センター
- 盲導犬訓練施設
- 補装具製作施設
- 視聴覚障害者情報提供施設
- 身体障害者生活訓練等事業
- 介助犬訓練事業
- 聴導犬訓練事業 等
生活保護・その他の分野
- 救護施設
- 授産施設
- 更生施設
- 宿所提供施設
- 社会事業授産施設
- 更生保護事業
- 日常生活支援住居施設
- 認可外保育施設(補助金・交付金の交付決定により認可を得る見込みがあるもの)
- 企業主導型保育事業(補助金を受けて設置される事業所内保育所)※当機構の融資の対象施設・事業で働く人のために設置するもの。
●特定有料老人ホーム(老人福祉法第 29 条に規定する有料老人ホーム※であって以下のいずれにも該当するもの)
・養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、病院、介護医療院、介護老人保健施設に隣接し た場所に設置するもの。
・入居定員が 50 人未満のもの。
・利用料が比較的低廉であり、かつ、入居者からは原則として利用料以外の金品を徴収しないもの。
※高齢者の居住の安定確保に関する法律第五条第一項の登録を受けるサービス付き高齢者向け住宅を含む。
償還期間(元金の支払猶予期間)
7年以内(1年6か月以内)
貸付利率
基準金利+0.4%
基準金利は契約締結時における利率が適用されます
現在の貸付利率はこちら
※通常の経営資金・長期運転資金の貸付利率から△0.4%の優遇となります。
貸付金の限度額
なし(担保評価額の70%まで)
無担保貸付
原則500万円まで
保証人
担保提供あり
保証人又は保証人不要制度(貸付利率に一定の利率を上乗せ)のいずれかを選択
担保提供なし
原則保証人が必要となります
融資を受ける条件について詳しくは以下のページをご覧ください。
参照:物価高騰の影響を受けた施設等に対する経営資金又は長期運転資金のごあんない
資金用途に関する注意点
この優遇融資の目的は、物価高騰の影響を受けて費用が増加したことにより収支が悪化している施設・事業の経費に充てるためのものなので、目的以外の用途として資金を使用することはできません。
例えば、既往借入金の繰上返済や借換資金、人件費への流用、建築資金への流用、他法人への流用又は転貸等に充てるといったことに資金を使用した場合、繰上償還を求められる可能性があるため注意が必要です。
WAMの融資を受ける場合は、必ず物価高騰の影響によって増加した費用の経費に充てるようにしましょう。
障害福祉施設の物価高騰対策支援補助金について
物価高騰の影響を受けた障害福祉に対するWAMの融資制度についてご紹介しましたが、都道府県によっては物価高騰の影響を受けた障害福祉施設に対して補助金を支給しているところもあります。
光熱水費、燃料費、食費等の物価高騰の影響を受けた事業所に対して、事業内容や定員人数によって金額は変わりますが、支援金を受け取ることができるので、申請をしておくといいでしょう。
物価高騰対策支援補助金は各都道府県によって異なるので、該当する地域の補助金について受給できるかどうかまずは調べてみるのが良いです。
また、申請受付期間もあるため、期限を過ぎないように気をつけましょう。
まとめ
物価高騰の影響を受けた障害福祉施設が利用できるWAMの融資制度について解説をしてきました。
光熱水費、燃料費、食費等が高騰し、経費の負担が大きくなっている事業所も多いかと思いますが、運転資金が足りない場合はWAMの融資の利用してみても良いでしょう。
また、各都道府県によっては物価高騰対策支援補助金を支給しているところもあるので、申請できそうな場合は積極的に利用するのが良いです。