放課後等デイサービスの定員超過利用減算の算定基準と計算方法
放課後等デイサービスで利用定員を超えての受け入れを行った場合、定員超過利用減算の対象となってしまいます。
「うちの事業所の場合、何人を超えたら減算の対象になってしまうのだろう?」
「何人まで受け入れ可能か計算方法が分からない・・・」
というお悩みにここではお答えしていきます。
定員超過利用減算の対象となってしまうと、大幅な報酬減により経営にも影響を及ぼす可能性があります。
そこでこの記事では、定員超過利用減算の算定基準と、その計算方法について解説をしていきます。本記事を読んで算定基準を理解することで、利用人数の管理が正しくできるようになります。
定員超過利用減算とは
届け出ている利用定員を実際の利用者が一定以上超過した場合に算定されます。
1日の利用実績と過去3か月の利用実績の両方で計算をします。減算単位は所定単位の30%です。
定員超過利用減算の算定基準
1日あたりの利用実績による計算
①利用定員が50人以下の場合
1日あたりの利用人数が利用定員の150%を超えた場合、該当する日に利用していた利用者全員が減算対象
②利用定員が51人以上の場合
1日あたりの利用人数が利用定員+(利用定員-50)25%+25を超えた場合、該当する日に利用していた利用者全員が減算対象
過去3か月間の利用実績による計算
①利用定員が11人以下の場合
直近過去3か月の利用者延べ人数が、利用定員に3を足してそれに開所日数を掛けた数を超えた場合
②利用定員が12人以上の場合
直近過去3か月の利用者延べ人数が、利用定員に開所日数を掛けた数に125%を掛けた数を超えた場合、該当する1か月間に利用していた利用者全員が減算対象
※多機能型事業所で複数のサービスごとに利用定員を定めている場合は、そのサービスごとに計算をして割り出さなくてはいけません。
計算方法の例
次に計算方法について例を挙げながら詳しくみていきましょう。
1日あたりの利用実績による計算
①利用定員が50人以下の場合
(例)定員10人の場合・・・10人×1.5=15人
この場合は1日の利用人数が16人以上になると減算対象となる。
②利用定員が51人以上の場合
(例)定員60人の場合・・・60人+(60人-50)×0.25+25
=87.5人→88人(小数点以下切り上げ)
この場合は1日の利用人数が89人以上になると減算対象となる。
過去3か月間の利用実績による計算
①利用定員が11人以下の場合
(例)利用定員10人、1か月の開所日数が22日の場合
(10人+3)×22日×3か月=858人(受入可能延べ利用者)
この場合は3か月の総延べ利用者数が858人を超えると減算対象となる。
②利用定員が12人以上の場合
(例)利用定員30人、1か月の開所日数が22日の場合
30人×22日×3か月=1980人
1980人×1.25=2475人(受入可能延べ利用者)
この場合は3か月の総延べ利用者数が2475人を超えると減算対象となる。
定員超過利用減算対象確認シート
1日あたりの利用実績から判断するのは分かりやすいですが、過去3か月の利用実績から判断するのはなかなか難しいと思います。そのため、日頃から利用人数の把握をきちんとしておかなくてはなりません。
厚生労働省から出されている「定員超過利用減算対象確認シート」を活用するなどして利用人数の確認を毎日しておきましょう。
また、計算方法を表にまとめると以下のようになります。
【計算方法表】
1日あたりの実績 | 利用定員 50人以下 | 利用者数>利用定員×150% |
利用定員 51人以上 | 利用者数>利用定員+(利用定員-50)×25%+25 | |
過去3か月の実績 | 利用定員 11人以下 | 過去3か月の延べ利用者数> (利用定員+3)×過去3か月の開所日数 |
利用定員 12人以上 | 過去3か月の延べ利用者数> 利用定員×過去3か月の開所日数×125% |
やむを得ない事情がある場合の取扱い
災害や虐待、その他やむを得ない事情があり利用人数が利用定員を超えた場合は、定員超過利用減算の対象とはなりません。
その他やむを得ない事情として、以下のようなケースが認められることもあります。
・障害特性や病状により欠席しがちであり、定期的な利用が困難な利用者に対し、継続支援を行う必要がある場合。
・利用者の家庭環境や、地域の福祉資源状況により、事業所で受け入れをしないと利用者の安全が守れないおそれが ある場合。
やむを得ない事情については、自治体によって判断が違ってくることもあるため、その都度確認することが大切です。
まとめ
今回は放課後等デイサービス・児童発達支援の定員超過利用減算について解説しました。
定員超過利用減算は、
・1日あたりの利用実績
・過去3か月間の利用実績
の2つの軸で定員を超えてはならないため、両視点からのチェックが必要です。
放課後等デイサービス・児童発達支援では、原則として利用定員を超えてサービス提供をしてはいけません。ルールを守り、適正な受け入れ人数で安全なサービス提供に努めましょう。
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