WAM(福祉医療機構)の融資の条件や金利を詳しく解説

少子高齢化が進む日本において、高齢者や子ども、障害者が自立し安定した生活を送るためには社会福祉施設が必要不可欠です。

社会福祉施設の運営や設備には多額の資金が必要となり、融資を希望する方は多いと思います。

今回は、施設整備等に必要な資金に関する融資機関であるWAM(独立行政法人 福祉医療機構)についてご紹介します。

独立行政法人 福祉医療機構の融資制度である福祉貸付事業・医療貸付事業の貸付条件を詳しく解説しておりますので、建築資金等の融資をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

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目次

WAM(独立行政法人 福祉医療機構)とは

独立行政法人福祉医療機構とは、社会福祉・医療事業団の事業を承継し、福祉の増進と医療の普及向上を目的として設立された独立行政法人です。

少子高齢化が進む中、福祉・介護及び医療サービスの安定的かつ効率的な提供体制を確立することは急務となっています。

国や地方公共団体においても、社会福祉施設等の計画的整備、質の高い効率的な医療提供体制の構築など、社会保障を支える福祉医療の基盤づくりのための施策が進められています。

独立行政法人福祉医療機構は、国の施策と連携し福祉医療の基盤整備を進めるため

・貸付事業
・経営診断、指導事業
・心身障害者扶養保険事業
・福祉保健医療情報提供事業

など多岐にわたる事業を展開しています。

福祉貸付事業とは

次に、独立行政法人 福祉医療機構の融資制度である福祉貸付事業について解説します。

社会福祉施設を整備する際に必要となる建築資金等を「長期・固定・低利」で融資する制度です。

「長期・固定・低利」の具体的内容は以下になります。

長期

計画概要によって、償還期間が最長30年と長期になっています。

借入金の元金返済を長期間に分割して返済することにより、1年あたりの元金返済額を小さくし、年間の負担を軽減することができます。

固定

全期間または一定期間(10年毎)において、貸付利率が固定されています。

そのため、貸付時に全期間または一定期間内の返済計画(元金返済・利息支払い)を確定することができます。

借入後における金利上昇リスクを回避しつつ、計画的な施設経営を実現することが可能です。

低利

機構の貸付原資は、主に国から調達しているため貸付利率が低く設定されています。

社会福祉施設の収入が公定価格(介護報酬)で定められている中、支払利息の負担を低く抑えることで、継続的な施設経営におけるリスクを軽減することができます。

また、以下のような地域における民間社会福祉施設の基盤整備支援も行っています。

・介護基盤の緊急整備
・待機児童解消のための保育所整備
・社会福祉施設の耐震化整備
・都市部における介護基盤の整備
・東日本大震災等に係る復興整備

融資制度の条件

次に、融資の対象や流れ等、融資制度の詳細を解説します。

対象

融資の対象となる施設や事業は以下になります。

・特別養護老人ホーム、ケアハウス、老人デイサービスセンターなどの老人福祉施設

・障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス(生活介護、就労移行支援、就労継続支援、施設入所支援等)等

・保育所、幼保連携型認定こども園、児童養護施設、障害児入所施設などの児童福祉施設

・在宅サービス事業

また、融資を受けられるのは

社会福祉法人、日本赤十字社、一般社団(財団)法人、医療法人

等となっています。

融資の流れ

1.融資相談
2.借入申込
3.借入申込受理
4.融資審査
5.貸付契約・資金交付
6.完成報告

資金の種類

・建築資金(新築、改築、拡張、改造・修理、購入などに必要な資金)
・設備備品整備資金(機械器具、備品などの整備資金)
・土地取得資金
・経営資金

利率

貸付契約時の利率(金融情勢に応じて変動)となり、貸付契約10年経過毎に金利を見直す制度もあります。

利率詳細については以下をご参照ください。

金利情報

また、国等の補助による老朽民間社会福祉施設整備事業、既設社会福祉施設用地有効活用改築促進整備事業および地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業等については、全期間無利子貸付です。

融資限度額

融資額限度は、①及び②で算出した額のうち、いずれか低い額になります。

  • (基準事業費-法的・制度的補助金)×融資率
  • 担保評価額×70%

※融資率は施設や事業により80%・75%・70%がある。

※貸付金額は10万円単位、最低貸付金額は200万円。(特定有料老人ホームは200万円単位)

※代理貸付の場合は、担保評価額×80%。

※無担保貸付制度利用の場合は、①で算出した額と無担保貸付限度額を比較しいずれか低い額。

融資期間

融資の対象や資金の種類等によって異なりますが、5年以内~30年以内となります。

また、融資期間に応じた措置期間(6か月以内~3年以内)が設けられています。

担保

原則として、土地・建物を提供します。

融資対象となる物件の担保順位については、原則第一順位となりますが、申し込み内容により機構と相談のうえ決定となります。

保証人

以下のいずれかを選択できます。

・保証人不要制度

 保証人不要制度を利用する。

・個人保証

 法人代表者、個人の連帯保証人を立てる。

貸付方式

貸付方式には以下の2つがあります。

直接貸付

機構に直接融資の申し込みを行う。

東日本・・・東京本部

西日本・・・大阪支店

代理貸付

機構の代理店となっている金融機関に申し込みを行う。

参考:2022年度 福祉貸付事業融資のごあんない

医療貸付事業とは

ここからは、医療貸付事業について解説をしていきます。

医療貸付事業とは病院・診療所などの医療関係施設、介護老人保健施設及び介護医療院の設置や整備に必要となる建築資金等を、福祉貸付事業同様「長期・固定・低利」で融資する制度です。

また、以下のような地域における民間医療施設の基盤整備支援も行っています。

・医療提供体制改革
・地域包括ケアシステムの整備
・医療施設の耐震化
・医療機能の分化・連携
・東日本大震災等に係る復旧整備

融資制度の条件

対象

融資の対象となる施設や事業は以下になります。

・病院、診療所(一般診療所、歯科診療所)
・介護老人保健施設、介護医療院、指定訪問看護事業
・助産所
・医療従事者養成施設

また、融資を受けられるのは

・個人
・医療法人
・一般社団法人
・一般財団法人
・社会福祉法人
・学校法人

等となっています。

融資の流れ 

1.融資相談
2.借入申込
3.受理・審査
4.貸付契約・資金交付
5.事業完成報告

※貸付内定前に、今次計画に係る工事請負(売買)契約または工事着工を行った場合は、原則、融資対象外となるため注意が必要です。

資金の種類

設置・整備資金

・建築資金(新築、増改築、購入、賃借などに必要な資金および土地取得資金)

・機械購入資金

新設・災害復旧時などに必要な医療機械や備品購入資金(病院は対象外)

病院の先進医療等に使用する高額な医療機器の購入資金であって、民間金融機関が融資しない場合の資金

長期運転資金

・新設等に伴い必要な資金(病院は対象外)

・経営の安定化を図るために必要な資金(要経営診断や指導)等

利率

貸付契約時の利率(金融情勢に応じて変動)となり、貸付契約10年経過毎に金利を見直す制度もあります。

利率詳細については以下をご参照ください。

金利情報

融資限度額

新築資金・増改築資金

所要額(建築工事費と設計監理費)×融資率

※所要額には、解体撤去費や造成工事費等は含めない。
※補助金等がある場合は、所要額から補助金等を差し引いた額と所要額に融資率を乗じたいずれか低い額となる。
※融資対象施設や条件により、融資限度額の上限や担保評価額の80%以内等の条件あり。
※融資率は融資対象施設や条件により異なる。

土地取得資金

所要額(土地の取得費と整備費)×融資率

※融資対象は、新築資金・甲種増改築資金(増床または移転事業)、社会医療法人の乙種増改築資金(移転事業)に伴う場合。

※当該土地が取得済みのものであっても、借入申込年度の前年度4月1日以降に取得(所有権移転登記年月日)したものであれば融資対象となる。土地取得資金のみの融資は受けられない。

※補助金等がある場合は、所要額から補助金等を差し引いた額と所要額に融資率を乗じたいずれか低い額となる。

※融資率は貸付対象施設や条件によって異なる。なお、建築資金の融資率が適用される。

融資期間

融資の対象や資金の種類等によって異なりますが、3年以内~30年以内となります。

また、それぞれに措置期間(6か月以内~3年以内)が設けられています。

担保・保証人・貸付方式については福祉貸付事業と同様になります。

担保

原則として、土地・建物を提供します。

融資対象となる物件の担保順位については、原則第一順位となりますが、申し込み内容により機構と相談のうえ決定となります。

保証人

以下のいずれかを選択できます。

保証人不要制度

保証人不要制度を利用する。

個人保証

法人代表者、個人の連帯保証人を立てる。

貸付方式

貸付方式は以下の2つがあります。

①直接貸付

機構に直接融資の申し込みを行う。

東日本・・・東京本部

西日本・・・大阪支店

②代理貸付

機構の代理店となっている金融機関に申し込みを行う。

参考:医療貸付事業 融資のごあんない

まとめ

以上、WAM(独立行政法人 福祉医療機構)の融資制度である福祉貸付事業・医療貸付事業について解説してきました。

福祉貸付事業・医療貸付事業の特徴でもある「長期・固定・低利」で、民間の金融機関より好条件で融資を受けることができます。福祉・医療事業へ新規参入する方や施設の改築や修理をお考えの方は、ぜひ選択肢の一つとして検討してみるのはいかがでしょうか。

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