訪問看護ステーションがつぶれる原因とは？倒産・廃業しないための対策

日本の高齢化が進むにつれて、訪問看護の需要が高まり訪問看護ステーションの新規開業も増えつつあります。

しかし、経営がうまくいっている事業所がある一方、経営が赤字となり、倒産・廃業に追い込まれてしまうところも少なくありません。

現在訪問看護事業を行っている事業者やこれから開業しようと考えている方はどのようにしたら倒産せずに事業を続けることができるのか気になる方も多いかと思います。

そこで、この記事では訪問看護ステーションがつぶれる原因や、倒産・廃業しないようにするにはどうしたら良いのかそれぞれ解説をしていきます。

訪問看護ステーションが倒産・廃業する原因

訪問看護ステーションが倒産・廃業する主な原因としては、以下のようなものがあります。

それぞれ見ていきましょう。

人材確保が困難

訪問看護ステーションの倒産原因の一つは、人材確保の困難さです。看護師や介護士の需要が高まる中、事業所を運営していくのに必要なスタッフを確保することが難しくなっています。

特に地方や人口の少ない地域では、質の高いスタッフを確保することが課題となっています。

また、給与や労働条件の改善が求められる一方で、コストの増大に直面しています。これらの要因が合わさり、人材確保の困難さが訪問看護ステーションの倒産につながっています。

稼働率・利用率の低下

訪問看護ステーションの倒産原因の一つは、稼働率や利用率の低下です。

利用者の獲得のための集客がうまくいっていなければ、稼働率・利用率が低下してしまい十分な売上を立てることもできなくなってしまいます。

物価高騰

訪問看護ステーションの倒産原因の一つは、物価の高騰です。物価の上昇により、訪問看護ステーションが必要とする医療・介護機器や消耗品の調達コストが増加しています。また、スタッフの給与や福利厚生費も増加しており、経営のコスト負担が増大しています。

これらの要因が合わさり、物価の高騰が訪問看護ステーションの経営に負担をかけ、倒産につながっています。

訪問看護ステーションが倒産・廃業しないための対策

訪問看護ステーションが倒産しないための対策としては、以下のようなものがあります。

開業資金を十分に用意する

訪問看護ステーションが倒産しないための対策の一つは、開業資金を十分に用意することです。適切な開業資金を確保することで、訪問看護ステーションは経営の安定性を確保し、運営の円滑さを保つことができます。

開業資金には、施設の設備投資やスタッフの採用・教育費、運営資金などが含まれます。特に、スタート時には予期せぬ経費や不測の事態に備えるためにも、十分な開業資金を計画することが重要です。また、適切な財務管理や資金運用も必要です。

収支のバランスを取りながら、適切な投資や経費の見直しを行うことで、経営の持続可能性を高めることができます。さらに、金融機関や補助金制度などを活用し、資金調達の多様化も検討すべきです。経営のリスクを軽減し、成長に向けた準備を整えるためにも、開業資金の十分な用意が不可欠です。

採用活動や職場環境の改善に力を入れる

採用活動や職場環境の改善に力を入れることで、事業継続に必要不可欠なスタッフを確保し、働きやすい環境を整えることで、訪問看護サービスの質と効率性を向上させることができます。

まず、看護師や介護士を採用するためには、魅力的な労働条件や給与体系、キャリアパスの提供が必要です。また、定期的な研修やキャリア支援プログラムを提供することで、スタッフのモチベーションやスキルアップを促進します。

さらに、職場環境の改善にも注力することが重要です。労働時間の適正化や労働条件の改善、ストレス対策や健康管理の充実など、働きやすい環境を整えることで、スタッフの定着率を向上させることができます。

地域の医療機関や介護関連事業所との協力関係を築く

訪問看護ステーションが倒産しないための重要な対策の一つは、地域の医療機関や介護関連事業所との協力関係を築くことです。

地域との連携強化は、訪問看護サービスの充実と経営の安定に直結します。

まず、地域の医療機関との連携を深めることで、患者の医療ニーズに適切に対応する体制を構築することができます。

定期的な連絡や情報共有、症例の相談や連携診療など、医療機関との密接な連携は訪問看護の質を高めます。

また、介護関連事業所との連携も重要です。介護サービスの連携や共同利用、情報の共有など、訪問看護と介護の連携強化は利用者のサービス利用体験を向上させます。

さらに、地域のケアネットワークに積極的に参加することで、地域の医療・介護連携の発展にも貢献します。訪問看護ステーションは、地域との協力関係を築きながら、地域の医療・介護ニーズに適切に対応する体制を整えることが必要です。

まとめ

ここまで、訪問看護ステーションがつぶれる原因や倒産・廃業について解説をしてきました。

まず、人材確保の難しさや物価の高騰などの課題に対処するために、経営者は事前にリスクを見据えた適切な経営計画を策定する必要があります。また、これから開業する場合は、資金の十分な確保や効率的な財務管理、経費の見直しも重要です。

さらに、スタッフの採用・育成や職場環境の改善にも力を入れることが不可欠です。優秀なスタッフを確保し、働きやすい環境を整えることで、サービスの質を向上させ、競争力を維持することができます。また、地域との協力関係を築きながら、地域の医療・介護ニーズに適切に対応する体制を整えることも重要です。